はじめに:2027年適用の新リース会計がもたらす「契約書管理」の重要性
上場企業やそのグループ企業、会社法上の大会社などを対象に、2027年4月1日以後開始する事業年度から「新リース会計基準」が強制適用されます。
ここで各企業の大きな足かせとなるのが、社内の各部門のキャビネットに眠っている膨大な「紙の契約書」の存在です。契約を網羅的に把握できなければ、正しい会計処理は不可能です。本コラムでは、新リース会計への対応を機に進めるべき書類 電子化やり方と、業務の文書管理 効率化のポイントを解説します。
実務担当者を悩ませる「隠れリース」の網羅的洗い出し
新リース会計基準への対応において、企業が最初に取り組むべき最難関のステップが「自社の全契約の現状把握」です。ここに、紙の書類管理を続けている企業特有の2つの落とし穴が存在します。
落とし穴①
契約書に「リース」と書かれていない「隠れリース」の存在 業務委託契約や賃貸借契約、外注費、レンタル契約など、名目はリースでなくても、実質的に特定の資産を借りていると判断される契約は、すべて新基準の対象(リース識別)となる可能性があります。これらを各部門のキャビネットから1枚ずつ手作業で探し出すのは、膨大な時間と労力がかかります。
落とし穴②
契約期間や免除規定の「判定」が紙では困難 新基準には「300万円以下の少額資産」や「12ヶ月以内の短期リース」などの免除規定が設けられています。しかし、紙の契約書のままでは、「どの契約が免除対象で、どれがオンバランス対象か」を一覧で比較・判定することができず、監査法人への説明(判定根拠の提示)にも多大な手間が発生します。
【比較表】紙の契約書管理と「電子化(データ保存)」の違い
| 契約管理の要素 | 従来の紙による管理(大きな課題) | 契約書の電子化(データ保存の 効果) |
| 契約の網羅的な把握 | 各拠点のキャビネットに契約書が散在。「隠れリース」を含めた全社的な洗い出しが極めて困難。 | すべての契約書をデジタルデータとして集約。社内すべての契約を一元的に可視化・把握可能。 |
| リースの識別・判定 | 契約書を1通ずつ目視で確認し、手作業でエクセル台帳等に入力するため、見落としやミスが発生。 | データ化されたファイル(PDF/A等)のキーワード検索を活用し、対象契約の識別・判定を劇的に効率化。 |
| 監査法人への対応 | 監査対応の際、書庫から原本を探し出し、判定の根拠となった契約条項を目視で提示する必要がある。 | クラウド上で対象契約を即座に検索・抽出可能。判定根拠となるデータを速やかに提示・共有でき、監査対応の手間を大幅に削減。 |
| 原本のセキュリティ | 重要な契約原本が社内に分散保管されており、紛失・盗難や災害による消失(BCP)のリスクがある。 | 原本は安全な外部倉庫へ。オフィス内の「書類キャビネット削減」と安全な長期保管を両立。 |
新リース会計に耐えうる、正しい「書類 電子化やり方」
制度への準拠と、日々の文書管理 効率化を高いレベルで両立させるためには、以下のプロのプロセスを取り入れることが成功の鍵となります。
- 長期保存と改ざん防止を支える「PDF/A規格」 賃貸借契約など、長期にわたる契約書は、将来的なOSや閲覧ソフトのアップデートによって文字化けや表示崩れを起こさないよう、国際規格である「PDF/A」での電子化(データ保存)を徹底する必要があります。
- 物理とデジタルの「二重の防衛策」 電子化した後の「紙の原本」は、社内に置いておく必要はありません。耐震・耐火構造が万全な外部の専用倉庫へ預け(リスク分散)、日々の閲覧やリース判定業務はすべてセキュアなクラウド上で行う、という効率的な運用体制を構築します。
成功を引き寄せる「ペーパーレス化進め方」のロードマップ
自社のリソースだけで、通常業務の合間に数千通に及ぶ過去の契約書をスキャンし、新基準の判定を行うのは現実的ではありません。
【図1:新リース会計基準に対応する契約管理DXフロー】

①現状のキャビネットの棚卸し
まずはどこに、何の契約書が何冊あるのかを正確に可視化(仕分け)します。
②外部パートナーへの委託:
過去の膨大な紙契約書のスキャンから、検索タグ(日付、取引先、契約内容など)の付与までは、ノウハウを持つ外部のプロへ一括で外部のプロへ一括でアウトソーシングするのが、確実でコストパフォーマンス向上につながる有効な選択肢です。
まとめ:新リース会計を、企業の「契約管理DX」の好機に変える
新リース会計基準への対応は、一見すると実務負担の大きい「義務」のように思えますが、見方を変えれば、これまで後回しになっていた社内のアナログな契約管理を劇的にクリーンにする「絶好のチャンス」でもあります。
私たち三井倉庫ビジネスパートナーズでは、三井倉庫グループの一員として、新リース会計へのスムーズな移行を支える4つのトータルソリューションをご提供しております。
- 書類キャビネット削減サービス
社内に散在する契約書や関連資料の棚卸し・仕分けをサポートし、オフィス内の無駄を削減します。
- 電子化サービス
過去の重要契約書を、長期保存規格(PDF/A)に準拠した高精度なデジタルデータへ一括変換します。
- 「なんでも書庫」
電子化されたすべての契約データを、安全かつ検索性の高い当社のクラウドストレージ「なんでも書庫」で一元管理。スムーズなリース識別・判定業務を強力に支援します。
- 文書保管サービス「スマート書庫」
電子化を終えた貴重な契約原本を、1箱から簡単・安全に外部倉庫へ預け入れられる手軽な保管サービスです。セキュリティと災害対策(BCP)も万全です
